白い球体になりたい

音楽好きだし、ゲイだし、世界が終わらないことも知ってる

アーメン

何から言葉にすれば良いのか。社会や民衆は混乱しきりで、政治は頼りにならない。明日の仕事もよくわからない。日常を非日常に変貌させるのはいつも一瞬だ。いつもと違う駅でおりたり、男性同性愛者しか集まらない不可思議なサウナへ行ったり、新型のウイル…

1984

最近ネットフリックスに魂を売り渡していろいろ見ている。面白かったのはグレートハックというドキュメンタリー。ドキュメンタリーが一番好き。ショウレースもいいけど、どんなフィクションよりも現実の方が確実に面白いと思っているタチなので。グレートハ…

SNS

日常が果てしなく続くと、記憶もないままに月日が続いていく。非日常を時々挟みたくなるのは、日常の繰り返しは記憶として残りにくく、非日常ばかり思い出になって僕たちが死んでいくことをわかっているからなんだろう。ちょうどいい。私はずっと日常が欲し…

みる

疲労でくたくただったが帰りの電車では運良く座ることができた。通過する駅すら認識できないほど遠い意識のなかで、ふと子供の声が聞こえる。目を開けると隣の座席に親子が座っていた。 「いちねんせいになったら」 子供は電車の中だというのに歌っている。…

newboi

もともと、歌詞を書くのは嫌いだった。メロディやコードを考えたり、ここにこういう音を入れたらいいなとか考えを巡らすのは好きなくせして。高校生の頃、初めて曲を作ってみようと思い立ち、とりあえずラブソング…なのかなと訳も分からず曲を作り始めた。何…

流体

「東京は、人が流れているよ。」 地元にいた頃よく通っていたゲイバーの店子は、以前東京に住んでいたのだと言う。しかし、東京に嫌気がさし、地元に戻って来たのだと。なぜ嫌気がさしてしまったの?と僕が尋ねると、彼は少し考えた様子で、そう答えてくれた…

59号線という曲

サウンドクラウドを久々に更新しました。 先日大阪まで、東京から新幹線に乗って行きました。その時に通る名古屋という街が、僕の生まれた街で、僕が28年暮らした街です。 新幹線の車窓から眺める街は、全然懐かしくなくて、一ヶ月もまだ経っていないんだ…

59

僕の住んでいる街は新幹線から遠目に見ることができる。名古屋から東京方面へ乗る場合は、左側の窓側シートを確保するのがコツだ。名古屋を出発してしばらくすると、遠目に駅前のマンションが見える。そこから歩いていけば、僕のふるさとだ。 朝7時に起床し…

58

「そう来るんじゃないかと思ってました」 直属の上司に退職の意思を告げると、全てお見通しだったことがわかった。尊敬している人に別れを告げることは本当に心苦しく、涙を流さないように泣いていた。精神的にまいってる様子だったのが見て取れたので、相当…

短絡

「あんたが実家に戻ってきて、まだ一年も経たないのに、もう行っちゃうんだね」 母の最近のお気に入りは覆面パトカーの動画を観ることで、家に帰るとソファーの上で寝そべって、スマホにかじりついて動かない。普通の車から覆面パトカーへ変身を遂げる瞬間が…

転&職

通勤途中の道すがら、ツバメの巣から雛が落ちて死んでいるのを見つけた。春の終わりを告げるかのような強い日差しと、熱せられたアスファルトに静かに横たわり、眠ったように動かない。すぐ上には巣から雛たちがピーチクパーチクと薄情にも親の帰りを待って…

セックス

ジムを終えたあと、近くのコンビニでサラダチキンを食べることが習慣になった。体を鍛えて、栄養をとって、効果があるかどうかはさておいて、このような習慣をつけないと精神的な安定が得られない。ジムで体を鍛えることは、ゲイコミュニティで生き延びるた…

生きる

定年退職を控えたAさんにしょっちゅう電話がかかってくるようになった。会社を退職する手続きがたくさんあるのだろう。企業年金だとか、財形貯蓄とかいろいろ。以前Aさんと飲み会で老後の話をした時、「今の時代、老後に向けて5000万くらい貯金しておかない…

ハブ・ア・ハッピー・セックス

「そうは言っても、君たちのセックスには何の価値もないじゃないか」 文脈こそ忘れたが、いつかノンケに言われたことがある。 その時はそうかもしれないね、なんてお茶を濁したことは覚えている。 こう言えば良かった、と最近後悔をした。 「じゃあ、なんで…

日常

非日常を摂取しすぎてしまったために、何もかもが日常になってしまった。 いつものように同じ経路で出勤し、同じ昼食を摂り、同じ仕事をし、同じタイミングで会社を出、同じスーパー銭湯へ行き、同じマンガを読み、同じラーメンを食べ、たまにチャーハンを食…

まくら

「モノと目があう」という感覚。 不用品回収業者がやってきて、一人暮らしで溜め込んだ荷物を片っ端から片付けてもらった。 業者さんが部屋に最後まで残った要らないものを片っ端から片付けていく中、僕も要らないものをまとめる作業をしていた。やってきた…

暮らした日々

良い出会い、消したい出会い 楽しかったパーティ もう会えない元友達、また会いたい友達 作った曲、隣人のクレーム 引きこもった日々、3回目のシャワー 33分発の電車、いつものメンツ セブンイレブンのレジのおばちゃん 不味い料理、誰かのために作ったケー…

明日があるさ

斜め向かいのデスクの上司が亡くなったときいたのは昨日の朝だった。前々から体調が芳しくなく、 長期入院も1年に差し掛かってしまおうとした矢先の訃報。業務はほぼ通常通りの進行だったけれど、明日お通夜がありますだとか、明後日は告別式で、などど膨大…

東京へ行くの巻

私が膝から崩れ落ちて泣いているのを、背後から眺めていた。 突然、私の周りを囲う東京の風景が動き出し、だんだん私は小さくなっていく。最初はビルや街が小さくなり、次は青い海や大陸が小さくなり、地球すらどんどん小さくなっていく。しまいには、真っ暗…

20160617

感情のコントロールは何歳になっても難しい。抑え込むことはできるようになっても、生じてしまうものは止められることなどできない。そして、生じてしまっている感情がどういう類のものなのか、なぜ生じてしまったのか、すべてを正しく解釈することが、意外…

note

静かだ。 一人しかいない部屋で、遠くから鉄道が通る音が聞こえる。この部屋に住んで3年になる。 思えば、資本主義と向き合うことなく、27年生きてきた。 悪い癖で、本質的なことはあとまわしにしてしまう。 気づけばいつだってそうだった。 目先のことで…

トウキョウ、ポエム、サテライト

今日だけで、少なくとも私の周辺にいる3人が、”トウキョウ”へ行くことが決定したことがわかった。 ”トウキョウ”は、”トウキョウ”にふさわしい人がいないか自ら常に全国津々浦々アンテナを張り巡らせ、監視している。 ”トウキョウ”で成功を夢みる若者、 ”ト…

日常

久々に定時で帰る。いろんな人に迷惑をかけながら、冷たい態度を取られながら、それも当然だなって自分自身で納得しながら、生きている。 通勤の電車に、いつもかっこいい人が乗ってくるので、挨拶でもしてしまいそうになる。僕が新入社員だった頃は彼は学ラ…

おやすみポエム

フライパンをくしゃくしゃにできるようになったとしても、結局男性器を追い求めてしまうのだろうと思うと、なんだか最近、ジムへ行こうっていう気力が湧きません。別に筋トレが嫌になったわけでも、マッチョになりたくなくなったわけでもなく、よくあるちょ…

東京と私

新幹線の車窓を流れる、寝静まった街並を眺めていると、ふと目のピントがズレて、27歳になった私の顔が映し出された。 隣の人が音漏れさせているメタル・ミュージックと、新幹線の低周波音が不思議な共鳴を起こし、私は東京を離れる感傷に浸りきっていた。 …

GOGO

GOGOの人の自撮りツイートに、イイネが287件ついていることを確認した。 僕は暖房の温度を1℃上げる。 さらにそのツイートにリプライが250件近くついていることを目撃し、その直後ツイートがふっと消えた。 明日はクリスマスイブで、過去最大規模まで荒れた部…

僕が名古屋に居る理由

愛知県名古屋市。 総人口およそ230万人。この値は、東京都23区の4分の1程度である。 主要な産業は製造業で、トヨタ自動車関係の会社があふれている。 僕はこの街で生まれて育った。 就職活動していたころ、僕には好きだった人がいた。 その人と一緒に…

楽曲解説

誰にも浮かばれない曲たちがかわいそうになってきたので、聞かれてもいないのに楽曲解説しようかなって思ったのでキーボードを叩いています。飽きるまではやります。 別れ話 某氏のツイートで、「ドアを閉めて恋人じゃなくなる瞬間は、何回やっても悲しい」…

ノンケ

「君にはノンケでいてほしい」という曲は結構前からできてて、東中野と同時期くらいにはできてた曲でした。だけど歌いこなすのが、テーマが重くて二ヶ月くらいうだうだうだうだしていた曲です。何が幸せとかわかんないし、べつに自分がノンケになりたいな〜…

最初はブスだった君が、太ってしまってTwitterで羽ばたいていく。そういうのをたくさん見てきて私も…ってなるかっての。だけど私はデブ専である。自分の中で暴走する(かもしれない)ナルシシズムを抑えられるか不安とか思ってましたが、先日島とかに遊びに…