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白い球体になりたい

音楽好きだし、ゲイだし、世界が終わらないことも知ってる

トウキョウ、ポエム、サテライト

今日だけで、少なくとも私の周辺にいる3人が、”トウキョウ”へ行くことが決定したことがわかった。
 
”トウキョウ”は、”トウキョウ”にふさわしい人がいないか自ら常に全国津々浦々アンテナを張り巡らせ、監視している。
”トウキョウ”で成功を夢みる若者、
”トウキョウ”で暮らす恋人に想いを馳せている人、
”トウキョウ”で働くべき優秀な人材など、様々だ。
 
彼らが”トウキョウ”で暮らすにふさわしい”何か”を手にした時、切符を渡される。
行き先は全て、”トウキョウ”だ。
切符を手にした彼らは、まるで初めからそうすることが決まっていたかのように、
テレビや、PCのスクリーンなど、画面の中にズブズブと入っていく。
その場所は、決して新幹線や、飛行機でいけるような場所ではない。
公共交通機関でいつでもいけるあの都会は、”東京”であって”トウキョウ”ではない。
”東京”と”トウキョウ”は一見コピー&ペーストしたかのように、私たちを欺くだろう。
しかし”東京”へたどり着いてしまった人間は、決して”トウキョウ”には入り込めない。
ガラスのような透明の素材越しに、”トウキョウ”の人々を眺めることしかできない。
 
”トウキョウ”は、
”トウキョウ”で生きて行く資格を与えられた人間だけが、入り込める世界なのだ。
 
私は”トウキョウ”に選ばれることなく、地方からぼうっと寒空を眺めている。
夜23時、餌を待つ雛鳥のように、だらしなく口を開けていた。
片付けていない部屋に、空腹を知らせる音が鳴り響いた。